時事問題研究プリント集成
冬海ゼミでは毎年、私立高校入試前に『時事問題研究』の時間を設け、社会科の時事問題を扱った入試問題と面接試験での時事問題に対する質問の対策をしています。ここには今年(1999年)に配布した時事問題研究のプリントも含めて、過去に配布したプリントの内容を収録しています。なお、ここでいう時事問題とは、「高校入試に出る可能性のある」ものという観点で選んだものですので、その取捨選択や解説内容にはご異論もあると思いますがご理解ください。人物名の敬称はすべて略させていただいております。
このプリントの集成で、何年か前の過去を思い出してみてください。
このプリントのファイルを改めて集めてみると、99・98年度はWindows95、97・96年度はMac、それ以前95〜90年度はMS-DOS
3.3A、それ以前はCanonのα100というワープロというふうに、冬海ゼミの使用機材の歴史をも表しています。
時事問題研究 99年度
(98年1月〜99年1月) 15期生に配布
- 1月9日/奈良県天理市の黒塚古墳から三角縁神獣鏡が多数出土した。この三角縁神獣鏡には、邪馬台国の女王卑弥呼が魏の皇帝から授けられた銅鏡100枚の一部とする説や、渡来人による国産鏡説などが唱えられた。
- 2月7日/「愛と参加」をテーマに、自然との調和を目指した長野冬季オリンピックが開幕した。日本は金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル4個を獲得、健闘した。
- 2月25日/野党国民会議の金大中が大韓民国の新大統領に就任した。経済危機や南北問題解決が課題とされる。なお、金大中は1973年に朴正煕政権下で東京滞在中に拉致され(金大中事件)、1980年の光州事件(全斗煥の軍部クーデターに抗議した学生・市民が虐殺された事件)の首謀者として死刑判決を受け、アメリカに亡命、1985年の韓国帰国後は自宅軟禁されるなど苦難の道を歩んできた人物である。
- 3月31日/老朽化の進んでいた原子力発電所、茨城県東海村の東海発電所が営業運転を終了した。東海発電所は1966年に営業運転を始めた国内初の商業用原子力発電所で、商業用原発としては国内初の閉鎖となった。
- 4月1日/金融市場の自由化・国際化を目指して、金融制度改革、日本版金融ビッグバンがスタートした。これは戦後、さまざまな規制によって外国の資金の導入防止、弱い金融機関の保護など、政府によって保護されてきた金融市場(銀行取引・証券取引)を、規制の少ない自由な市場にし、国際化をはかろうとするものである。
- 4月5日/世界最長の吊り橋である明石海峡大橋が開通した。1985年に開通していた大鳴門橋と合わせて神戸−鳴門ルートが完成した。本四架橋の3ルートのうち、児島−坂出ルートは1988年に開通しているので、未開通は1999年5月開通予定の尾道−今治ルートだけとなった。
- 4月10日/イギリスとアイルランドの両政府がイギリス領の北アイルランド紛争和平に関し、最終合意に達した。交渉は北アイルランドのベルファストで開かれ、イギリスからはブレア首相、アイルランドからはアハーン首相が参加した。
- 4月15日/主要7か国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)がワシントンで開かれ、日本に内需拡大を求める一方、円安是正の姿勢を打ち出した。
- 4月19日/静岡県で橋本龍太郎首相とロシアのエリツィン大統領が会談し、橋本首相は国境線を北方4島の北側に引くよう求める「国境線画定」を正式に提示した。
- 5月11日/インドが24年ぶりに地下核実験を行ったことをバジパイ首相が発表した。その後インドは5月13日にも核実験を行った。それに対しインドと敵対するパキスタンは、国連の中止勧告を無視して、5月23日に核実験を決行した。これら2国には世界の批判が集中、9月23日には国連総会でパキスタンのシャリフ首相が、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名する用意のあることを表明した。
- 5月15日/イギリスのバーミンガムで主要国首脳会議(サミット)が開かれ、インドの核実験や深刻化するインドネシア情勢などが議論の中心となった。日本からは橋本龍太郎首相が参加した。
- 5月21日/インドネシアで暴動が起こり、32年間続いたスハルト大統領の独裁政権が倒れた。後継には副大統領であったハビビ大統領が就任した。この暴動は1997年のタイの通貨バーツ危機に始まる東南アジアの通貨危機による経済混乱が原因である。
- 5月27日/経済企画庁は1997年度の国内総生産(GDP)を発表、経済成長率が−0.7%で、戦後最悪の数字であることを発表した。
- 6月6日/国連の安全保障理事会はインドとパキスタンの核実験に抗議した。
- 6月7日/サッカーワールドカップフランス大会に日本が初出場したが、予選トーナメントで敗退した。なお、2002年のワールドカップは日韓共催が予定されている。
- 6月〜8月/中国東北部や長江流域で大雨が続き、空前の大洪水となった。被災者は2億4000万人にのぼった。
- 6月15日/為替相場で円安が進み、最安値は146円台をつけた。6月17日には日本とアメリカが「円買いドル売り」の協調介入を行った。
- 7月4日/日本初の火星探査機「のぞみ」が鹿児島県内之浦町で打ち上げに成功した。
- 7月21日/内戦の続くタジキスタンで、停戦監視など国連平和維持活動(PKO)の「国連タジキスタン監視団」に政務官として派遣されていた秋野豊(元筑波大助教授)が車で移動中に襲撃され、死亡した。
- 7月31日/7月12日の第18回参議院議員選挙の敗北を受け、橋本龍太郎首相が辞任、小渕恵三新内閣が誕生した。元首相の宮沢喜一が大蔵大臣に、民間から堺屋太一が経済企画庁長官に、史上最年少(37歳)の野田聖子が郵政大臣になった。
- 8月5日/マイワシの激減により漁獲水揚げ高のトップが境港から銚子港になったと農林水産省が発表した。マイワシ激減の原因の一つとして乱獲があげられる。なお、マイワシの多くは養殖魚のエサにされる。
- 8月7日/ケニアの首都ナイロビと、タンザニアの首都ダルエスサラームにあるアメリカ大使館周辺で同時爆弾テロが起こり、多くの死傷者が出た。
- 8月31日/北朝鮮のミサイル(北朝鮮は人工衛星と発表)が日本上空を通過して太平洋に落下した。
- 9月27日/ドイツの総選挙でシュレーダーが率いる野党の社会民主党が勝利、東西ドイツ統一を果たしたコール政権が幕を閉じることになった。
- 10月9日/平均株価が13000円を割り込み、バブル崩壊後の最安値を更新した。6月の円安後、円高に転じていた為替相場と併せて「円高・株安」の危機感が強まった。
- 1月1日/ヨーロッパ連合(EU)の単一通貨「ユーロ」euroがEUの11か国に導入された。導入したのはドイツ・フランス・イタリア・スペイン・オランダ・ベルギー・オーストリア・ポルトガル・フィンランド・アイルランド・ルクセンブルクで、イギリス・スウェーデン・デンマーク・ギリシャは今回参加しなかった。これにより、国際経済でのEUの力が強まると思われる。実際のユーロ紙幣や硬貨は2002年1月から導入される。当初1ユーロは133円前後で推移した。
- 1月14日/自由民主党と自由党の連立政権合意によって小渕内閣が改造され、自自連立内閣が発足した。この内閣は自由党小沢一郎党首の意向で国務大臣の数が20人から18人に減らされた。
- 1月19日/奈良県明日香村の飛鳥池遺跡から「富本」の文字のある7世紀後半の銅銭が出土、「富本銭」は日本初の流通貨幣である可能性が高いと発表された。(和同開珎は708年発行とされる。)
時事問題研究 98年度
(97年1月〜98年1月)14期生に配布
- 1月1日/国連の事務総長ブトロス・ガリの後任として、第7代事務総長にガーナ出身のコフィ・アナンが就任。任期は2001年12月末までの5年間。
- 1月2日/島根県隠岐諸島沖でロシアのタンカーナホトカ号が重油1万9000?を積んだまま沈没。日本海沿岸に重油が漂着した。地元住民や多くのボランティアが重油回収にあたった。
- 1月21日/厚生省と国立社会保障・人口問題研究所は「将来推計人口」を発表。11997年中に65歳以上の老年人口が15歳未満の年少人口を上回り、2050年には3人に1人が老年になる。2総人口は2051年に1億人を割り、2095年には6000万人台まで減少する。32050年には年間の出生数が1996年に比べ3割強も少なくなる。などの予想をした。
- 2月5日/経済協力開発機構(OECD)は、1995年の加盟国の政府開発援助(ODA)実績などに関する議長報告書を発表。日本はODA総額145億ドル(約1兆7800億円)で5年連続トップの座。
- 2月15日/世界貿易機関(WTO)の基本電気通信交渉は、ジュネーブのWTO本部で最終会合を開き、電話をはじめとする通信サービス全般の自由化で、正式に妥結した。発効は1998年1月1日。
- 2月24日/日本と中国の間で領有権をめぐる争いのある尖閣諸島(中国名は釣魚島)の問題で日本政府は「尖閣諸島は日本の領土の一部である」とする書簡をアナン事務総長に提出。
- 3月11日/茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所にある再処理工場内で火災が起こり、放射能が漏れた。消火が不十分であったため、同日夜に再度爆発、被曝者は37人に。
- 3月22日/東京と秋田をミニ新幹線で結ぶ秋田新幹線「こまち」が開業。東京−秋田間が最短で3時間49分で結ばれることになった。
- 3月30日/福岡県大牟田市にある日本最大の炭鉱、三井三池鉱が閉山。これで日本国内の炭鉱は長崎県の松島炭鉱池島鉱と北海道の太平洋炭鉱釧路鉱の2つだけになった。
- 4月1日/消費税の税率が3%から5%に引き上げられた。税率引き上げは1989年4月に消費税が導入されてから初めて。
- 4月14日/長崎県諫早湾の干拓事業で、農林水産省は湾奥部の約1.2km部分を閉じる「潮止め」を実施。ムツゴロウなどが生息し、渡り鳥の飛来地である国内最大級の干潟は消滅した。
- 4月21日/神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾横断道路(東京湾アクアライン)のトンネル部分が貫通。
- 4月22日/リマの日本大使公邸人質事件で、ペルー政府は特殊部隊を突入させ、人質71人を解放した。
- 4月27日/癌や奇形の原因となる猛毒物質ダイオキシンの発生を押さえるため、環境庁は法的に規制する方針を固めた。ダイオキシンはプラスチックの燃焼・紙の漂白・金属の精錬などに伴って発生する有機塩素化合物。
- 5月8日/アイヌ文化振興法(アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律)が成立。アイヌ民族という固有の民族を初めて法的に位置づけたが、アイヌ民族の求める先住権については盛り込まれなかった。
- 5月27日/北大西洋条約機構(NATO)とロシアが協力関係を築くための「NATOロシア基本文書」の調印式がパリで開かれた。クリントンアメリカ大統領らNATO加盟16か国の首脳と、エリツィンロシア大統領が文書に署名した。
- 5月28日/国連人口基金が1997年の世界人口白書を発表。世界の人口は1997年5月現在で、推計58億5000万人。
- 6月9日/大規模公共事業などによる環境への影響を事前に調査し、環境悪化を防止するための環境影響評価法(環境アセスメント法)が成立。
- 6月11日/男女雇用機会均等法が改正された。同法を強化するかわりに、時間外・休日・深夜労働に関する労働基準法の女子保護規定を廃止する関係法案も成立した。
- 6月17日/臓器移植の場合に限って「脳死は人の死」とする臓器移植法が成立。
- 6月18日/ヨーロッパ連合(EU)首脳会議はこれまでのヨーロッパ連合条約(マーストリヒト条約)を大幅に改定し、新しいEU憲法となる新ヨーロッパ連合条約(アムステルダム条約)を採択した。
- 6月20日/第23回主要国首脳会議(G8/サミット)がアメリカのコロラド州デンバーで開幕。冒頭、今回からサミットに正式参加するエリツィンロシア大統領が演説した。
- 7月1日/アヘン戦争後の南京条約(1842年)以来、155年間にわたったイギリスの香港統治の幕を閉じる香港返還式典が行われ、午前0時に香港は中国に返還された。中国は外交権・防衛権以外に関しては、今後50年間の香港のこれまで通りの自治を認めることとした。(一国二制度)
- 7月4日/政府は閣議で、爆発を伴うあらゆる核実験を禁止する包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を決定した。批准はカザフスタン・フィジー・カタールについて4番目。
- 7月23日/東南アジア諸国連合(ASEAN:インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ブルネイ・ベトナム)はミャンマーとラオスの加盟式典を開き、両国を正式メンバーとしたが、カンボジアの加盟は先送りされた。
- 8月5日/自治省は今年3月末現在の日本の総人口を1億2525万7061人と発表した。
- 8月31日/イギリスのダイアナ元皇太子妃がパリで事故死した。
- 9月5日/1979年にノーベル平和賞を受賞、インドなどで活動を続けてきたマザー・テレサがカルカッタで死去。
- 9月11日/4日の自由民主党総裁選で無投票で総裁となった橋本龍太郎首相が、第二次橋本改造内閣を発足させた。この際、ロッキード汚職事件で有罪が確定していた佐藤孝行を総務庁長官として入閣させたが、世論の厳しい反対を受け、22日に佐藤長官が首相に辞表を提出した。
- 11月12日/朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から日本人妻の一行15人が一時帰国した。
- 11月24日/同月3日に三洋証券が会社更生法適用を求めたのに続き、大手証券会社山一証券の自主廃業が明らかとなり、記者会見が行われた。
- 12月11日/地球温暖化防止京都会議は温室効果ガス総排出量の削減目標を決定した。
- 1月28日/大蔵省の金融検査をめぐる汚職事件の責任を取り、三塚博大蔵大臣が辞任した。後任の蔵相は松永光衆議院予算委員長。翌29日には大蔵省の事務方トップの小村武事務次官を更迭。
時事問題研究 97年度(96年1月〜97年1月)13期生に配布
- 1月11日/1月5日に村山富市首相が辞意の意向を表明、第135臨時国会で橋本龍太郎自由民主党総裁を首相に指名、自・社・さきがけによる2代目の連立内閣が発足。
- 1月11日/宇宙飛行士若田光一ら6人の乗ったスペースシャトル、エンデバーが打ち上げられた。若田光一は日本人初の搭乗運用技術者として衛星の回収などを行う。
- 1月16日/明石康国連事務総長特別顧問がインドネシアの東ティモール問題担当の事務総長特別代表に任命されたことが発表された。
- 1月19日/日本社会党が党名を社会民主党(略称
社民党)に変更した。
- 1月29日/フランスのシラク大統領は昨年9月に再開した核実験の終了を宣言した。
- 1月31日/陸上自衛隊は国連平和維持活動(PKO)として、中東のゴラン高原派遣の先遣隊が現地へ向かった。
- 2月 7日/明石康国連事務総長特別顧問が3月1日付で人道援助局長に就任することを発表。緒方貞子国連難民高等弁務官とともに人道援助分野に日本人が起用されることに。
- 2月20日/閣議で、今国会での国連海洋法条約の批准・承認をめざし、漁業資源の管理権などが認められる200海里の排他的経済水域を全面設定する方針を了解。韓国とは竹島、中国とは尖閣諸島の領有権問題で線引きを控えてきた日本海西部・東シナ海にも200海里水域を設けることになった。
- 2月27日/世論調査によると住宅金融専門会社(住専)の不良債権処理に6850億円の税金を使うことについて国民の87%が反対していることが分かった。
- 3月23日/台湾初の総統直接選挙で李登輝総統(国民党主席)が初代の民選総統に選ばれた。
- 3月23日/狂牛病が人間にも感染する可能性があるとイギリス政府が発表。イギリス産の牛肉の輸入禁止を決める国がヨーロッパ連合(EU)を中心に広がった。
- 3月25日/沖縄県の米軍用地の強制使用のため、首相が大田昌秀沖縄県知事の代理署名を求めていた職務執行命令訴訟で、福岡高等裁判所那覇支部は知事に代理署名を命じた。
- 3月25日/米・英・仏3国は、南太平洋での核実験や核兵器配備を禁止した南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)の議定書に調印。ロシア・中国はすでに調印している。
- 3月29日/輸入血液製剤でエイズウィルス(HIV)に感染した血友病患者と家族が国と製薬会社に損害賠償を求めていた東京HIV訴訟で和解が成立した。
- 4月11日/アフリカ大陸を非核地帯とするアフリカ非核化条約(ペリンダバ条約)調印され、非核地帯は南半球全域に拡大された。
- 4月12日/橋本首相とモンデール駐日大使が共同記者会見をし、沖縄米軍基地の整理・統合・縮小問題で最大の懸案、普天間飛行場を5〜7年で日本に返還することを発表。
- 4月20日/主要7か国(G7)とロシアの首脳がモスクワで開いた原子力安全サミットが閉幕。包括的核実験禁止条約(CTBT)ではいかなる核兵器の実験や核爆発も禁止すると規定、9月までの署名をめざすことになった。
- 5月29日/国連人口基金は人口白書を発表、世界人口は58億410万人と推計した。
- 6月 1日/昨年11月に施行された食糧需給価格安定法(新食糧法)に基づき、免許制であった米の小売業・卸売業が登録制に変わり、コンビニエンスストアやガソリンスタンドでも米が販売できるようになった。
- 6月 7日/日本の政府開発援助(ODA)の実績額が147億2200万ドルになり、5年連続で世界一の額となることが分かった。
- 6月21日/米軍基地に対する沖縄県民の意志を問う県民投票条例が、県議会で可決。都道府県レベルで住民投票条例を設けるのは全国初。
- 6月27日/フランスのリヨンで、22回目の主要国首脳会議(リヨンサミット)が開幕。自国の選挙運動のため欠席したロシアのエリツィン大統領をのぞく、米・英・仏・独・伊・カナダの首脳や日本の橋本首相が参加した。
- 7月 4日/ロシア大統領選挙の決選投票でエリツィン氏の再選が決まった。
- 7月 8日/核兵器の使用・威嚇が国際法に照らして違法かどうかについて、国連総会と世界保健機関(WHO)から勧告的意見を求められていた国際司法裁判所(オランダのハーグ)は核兵器の使用・威嚇は紛争に関する国際法・人道法の原則に一般的に反するという判断を言い渡した。
- 7月15日/大阪府堺市の小学校で発生した、病原性大腸菌O−157による集団食中毒は患者数が3800人にのぼることが明らかとなった。
- 7月20日/第26回オリンピック競技大会がアメリカ合衆国のジョージア州アトランタで開幕した。1896年に第1回のアテネ大会が開かれてから100周年の大会となった。しかし、7月27日には爆弾テロがあり、1人が死亡、100人以上が重軽傷を負った。なお、次の夏季大会は2000年にオーストラリアのシドニーで開催予定。
- 7月20日/東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議がインドネシアのジャカルタで開催された。加盟国のインドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ブルネイ・ベトナムの他、今回からミャンマーがオブザーバーに昇格、従来のオブザーバー国のラオス・カンボジアを加えると拡大ASEAN実現の体制が整った。
- 8月14日/ジュネーブ軍縮会議の包括的核実験禁止条約(CTBT)採択協議は、議長案を本会議に送ることが、インドの反対で不可能であることを交渉各国が承認、ジュネーブ軍縮会議での採択を断念した。
- 8月26日/韓国で光州事件などの判決公判が開かれ、全斗煥元大統領に死刑、盧泰愚前大統領に懲役22年6か月の実刑判決が言い渡された。
- 9月18日/朝鮮民主主義人民共和国の小型潜水艦が韓国北東部で座礁、乗組員と韓国軍が銃撃戦となり、乗組員のほとんどが射殺され、韓国側にも多数の犠牲者が出た。
- 10月 2日/パレスチナ騒乱で危機に瀕した中東和平を再建するための首脳会談がアメリカので行われ、ホワイトハウスでイスラエル首相のネタニヤフとパレスチナ自治政府議長のアラファトが共同記者会見を開いた。
- 11月 1日/部族間抗争によるルワンダ難民がザイール・ゴマなどから本国に帰国し始めた。難民キャンプでフツ族系の旧政府軍兵士とツチ族系の政府軍との戦闘が激化したことが原因。
- 11月 7日/第2次橋本龍太郎内閣が発足した。3年3か月ぶりの自由民主党単独内閣で、旧派閥の均衡に配慮した顔ぶれとなった。全員が国会議員で、女性は石井道子環境庁長官1人。大蔵大臣に三塚博、厚生大臣に小泉純一郎を起用。
- 11月25日/松尾芭蕉の代表的紀行文「奥の細道」の自筆本が確認された。
- 12月13日/国連安全保障委員会はブトロス・ガリ事務総長の後任として、ガーナ出身のコフィ・アナンを総会に勧告することを全会一致で決定した。
- 12月17日/ペルーのリマの日本大使公邸にトゥパク・アマル革命運動(MRTA)が数百人の人質をとり、仲間の釈放などを要求して公邸内に立てこもった。
- 1月31日/オウム真理教に対する破壊活動防止法(破防法)の適用の当否を検討していた公安審査委員会は破防法適用を棄却する決定を下した。
時事問題研究 96年度(95年1月〜96年1月)12期生に配布
- 1月1日/EU(ヨーロッパ連合)に新たにスウェーデン、フィンランド、オーストリアの3か
国が加わり、15か国に拡大した。
- 1月17日/午前5時46分ごろ、淡路島の北東3q、深さ20qを震源にマグニチュード7.2の阪神・淡路大震災(平成七年兵庫県南部地震)が発生、最終的には死者6308人を出す大惨事となった。電気・ガス・水道・電話などのライフラインが寸断され、約30万人が避難所生活を強いられた。港湾都市神戸は壊滅的な打撃を受け、気象庁は神戸市と淡路島北部の一部の震度を観測史上初の震度7(激震)と判定した。また、この地震では政府の対応のまずさが指摘された反面、民間のボランティアの活躍がめざましかった。
- 2月23日/日本の原子力発電所の使用済み燃料をフランスで再処理して残った廃棄物を積んだ英国船パシフィック・ピンテール号がフランスを出航。高レベル放射性廃棄物の海上輸送は史上初。
- 2月28日/在日韓国人2世らが日本での選挙権を求めていた裁判で、最高裁判所は「憲法は、国内永住者ら自治体と密接な関係を持つ外国人に、法律で地方選挙の選挙権を与えることを禁じているとはいえない。」という憲法判断を示した。
- 4月9日/統一地方選挙の知事選挙で東京都は青島幸男、大阪府は横山ノック(山田勇)が当選した。両候補とも無党派の前参議院議員。
- 4月11日/国連の安全保障理事会は核拡散防止条約(NPT)加盟の非核国が核兵器による攻撃または威嚇を受けた場合、「国連安全保障理事会と核兵器保有国である5常任理事国は即時行動をとる」などとする決議を全会一致で採択した。
- 4月19日/東京外国為替市場の円相場で1ドル80円を突破し、戦後最高値を更新、一時79円75銭まで円高が進んだ。
- 5月28日/ロシア共和国サハリン州で大地震が発生し、約2000人の死者が出た。
- 6月28日/日米自動車協議が合意した。日米の自動車・自動車部品交渉は対日制裁期限ぎりぎりまで「数値目標」で対立していたが、日米の両論併記などで妥協し、制裁発動は回避された。
- 7月6日/法律上結婚していない母親から生まれた「非嫡出子」の法定相続分を、結婚している母親から生まれた「嫡出子」の半分とした民法の規定が、法の平等を定めた憲法に違反するかが争われた特別抗告審で、最高裁はこの差別規定を合憲と判断した。
- 7月10日/ミャンマーの軍事政権は民主化運動指導者で、ノーベル平和賞受賞者のアウン・サン・スーチーの自宅軟禁を6年ぶりに解くと通告した。
- 7月23日/第17回参議院議員通常選挙で、社会党は過去最低の16議席、自民党は49議席、新党さきがけは3議席にとどまり、3党合わせてかろうじて改選過半数を確保した。
- 7月28日/東南アジア諸国連合(ASEAN)にベトナムが新たに加盟、ASEANはインドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ブルネイ・ベトナムの7か国となった。
- 8月8日/村山富市首相が初の内閣改造を行った。河野洋平副総理・外相、武村正義蔵相、橋本龍太郎通産省は留任となった。また経済企画庁長官に民間の宮崎勇を起用した。
- 8月15日/50回目の終戦記念日を迎え、「戦後50年にあたっての首相談話」が発表された。発表の中では、日本が「国策を誤り国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によりアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」との歴史認識を示した。
- 8月17日/中国が5月に続いて今年2回目の核実験を実施した。1996年中の合意を目指す核実験全面禁止条約(CTBC)交渉をにらみ、核兵器の性能向上のためのかけこみ実験とみられる。
- 8月25日/政府は96年2月に、自衛隊を中東ゴラン高原国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に派遣することを決定した。自衛隊の国連平和維持活動(PKO)派遣はカンボジア、モザンビークに続き3度目となる。
- 9月5日/フランスは、南太平洋のムルロア環礁で地下核実験を行った。国際世論を無視した実験再開に世界中で非難と抗議が高まった。翌6日、ニュージーランドとチリは駐在フランス大使の召還を決定、タヒチ島ではデモ隊がフランス治安部隊と衝突した。
- 9月5日/北京で国連世界女性会議が始まり、15日には女性の地位向上の具体策「行動綱領」を採択、38項目の決意を連ねた「北京宣言」を発表。
- 9月8日/ボスニア平和会議が開かれ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、新ユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロ)の外相がジュネーブで会談、平和への基本原則について合意した。
- 9月13日/南太平洋諸国の16か国・地域による南太平洋諸国会議(SPF)がパプアニューギニアで開幕し、翌14日には、フランスに今後の核実験中止を求める特別声明を発表。
- 9月28日/イスラエルのラビン首相とパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長がパレスチナ自治拡大協定に調印。ヨルダン川西岸のイスラエル軍撤退などで合意した。
- 9月28日/水俣病の未認定患者の救済問題で、日本窒素側が救済対象者に支払う一時金の額は、基本額1人あたり一律260万円と決まった。これを患者団体側が受け入れることによって水俣病の公式発表から40年目の決着となる。
- 10月5日/アメリカのクリントン大統領は「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の当事者が10日から全面的に停戦することで合意にいたった」と発表、平和協定締結に向けた協議をアメリカで行うことを明らかにした。
- 10月10日/国際連合のガリ事務総長は、安全保障理事会議長の明石康
旧ユーゴスラビア問題担当国連事務総長特別代表が辞任することを発表した。
- 10月13日/ノルウェーのノーベル賞委員会は1995年のノーベル平和賞を、核兵器の廃絶をめざす科学者でつくる「パグウォッシュ会議」(本部ロンドン)とその創設メンバーであるイギリス国籍の物理学者ジョセフ・ロートプラット氏に贈ると発表した。
- 11月4日/イスラエルのラビン首相が暗殺された。
- 11月15日/アジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議に18か国・地域の外相らが参加。貿易自由化を定めた「大阪行動指針」と、首脳による行動宣言「大阪宣言」を採択。
- 12月8日/高速増殖原子炉「もんじゅ」で冷却材のナトリウムが漏出する事故が発生した。もんじゅは8月29日にプルトニウムによる日本初の発電に成功したばかり。
- 12月10日/大阪市長選で前助役の磯村隆文が初当選した。
- 1月11日/橋本龍太郎自民党総裁が内閣総理大臣に指名され、内閣を組織した。内閣は自由民主党から文部大臣奥田幹生ら12名、日本社会党から大蔵大臣・副総理の久保亘ら5名、新党さきがけから2名の連立内閣で、民間から長尾立子が法務大臣となった。
- 1月19日/日本社会党が党名を「社会民主党」(略称
社民党)に変更した。
- 1月29日/フランスのシラク大統領が昨年9月に再開した核実験の終結を宣言した。